「メリスマ」の響きの中で

恥ずかしながら、音楽のことはあまり知らない私。
グレゴリオ聖歌の特徴の一つに、「メリスマ」という唱法があるのだそうです。

わかりやすい例でご説明しますと、クリスマスによく歌われる賛美の「荒野の果てに」で
“グローリヤ インエクセルシス デーオ(いと高きところには栄光、神にあれ)”
というラテン語の歌詞が途中にありますよね。
あの「グローオオオオーオオオオ」と複数の音符に渡ってずーっと母音を伸ばす特徴的な箇所、
これが「メリスマ」なんですって。

今回のグレゴリオ聖歌の中でも
そのような歌い方が多く出て来るのですが、中でも二曲目ですね。
「私を救い出して、高く私の魂を上げて下さい、私を解放して下さい」
という歌詞をひたすらこのメリスマで歌う。
橋本先生は、その繰り返しの音に
どれほど修道士の願いが込められているでしょうか、と解説されています。

決して荒ぶるような激しさはありません。
しかし、本当に力強く、腹の底から歌っているのですよね。
喉だけでは無く、全身で、そして何よりこころで歌われている。

残念ながら、ラテン語はわかりませんし、聴き取れません。
でも、確かにこの繰り返しの美しい響きの中には、
まるで、救いを求め主を仰ぐこころを忘れぬよう、永遠に刻みつけようとするような…
そんな熱い祈りが満ちていることを自然と思わされるのです。


神からのメッセージーグレゴリオ聖歌ー
橋本周子氏「神からのメッセージーグレゴリオ聖歌ー」橋本周子(宗教法人聖グレゴリオの家・宗教音楽研究所所長)
第2〜5週日曜日更新
「ミサ聖祭の中の詩編の祈り(4)」

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