「つまらない」ものではなくて

今回「本当に一番大切な事は『死』です」という神父様の言葉に、
私はとっても強い印象を受けました。

よくテレビで高齢者の介護の特集を観ていたりすると、
八十代の祖母から「私はポックリ死にたいね」「病気になったらつまらないね」
というような事を聞くんですよね。「絶対に私の延命はしないで頂戴」とも。
それは、実際に寝たきりになってしまった姉妹を長らく見てきたからこその言葉で、
死ぬ時は潔く死にたい、そんな心からなのだと思います。

でも、今回神父さまが語った、私達が見つめるべきキリストの死に様というのは、
「我が神、我が神、何故わたしを捨てたのですか」と叫びながら、
不条理に潰されて死んでいった姿。とても綺麗とは言えないような最期でした。
…もしかしたら私の思っていたその「綺麗さ」って、
本当は人間の視点でしか無いのかな、とふと思わされたのです。

確かに、病気になってしまって、
歩けもせず、自分のことすらわからなくなってしまう。
自分が自分で無くなっていく。そんな事は想像するだけでも恐ろしいです。
祖母が言う「病気になったらつまらないね」とは、本当にもっともだと思う。

でも、実はそれが決して「つまらない」ものではなくて、
むしろ、自分の手から自分が離れていくときだからこそ、
主の前に見苦しくとも「潔く」死ぬことも出来るのかもなあ…
それこそが信頼であり、信仰というものなのかもしれない、
と今回はそんな風に思わされました。

二十代半ばの若輩の私。正直なところ、普段はそれほどこんな事は考えません。
でも、今は見えていない事柄かもしれないけれども、
老若男女全ての人の歩みがいつか必ずここへと繋がってゆくのですよね。
その事を示されながら、折りに触れ今後も繰り返し聴き続けたいお話と思わされました。


fue_inlc160603_iwashima岩島神父のキリスト教信仰入門講座
岩島忠彦(カトリック・イエズス会司祭、上智大学神学部名誉教授)
毎月第1金曜日更新

「キリスト教は生き方です。」
そう語るカトリック神学界第一人者の岩島忠彦神父が、麹町聖イグナチオ教会で長年続けていらっしゃる講座の録音を元に再構成した番組です。

第28回「キリスト者の生き方2―運命と試練」

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