懐かしい匂いのする新番組が始まりました。
新番組と言いましても、元の音源は半世紀近く昔のものでしょうか、
しかも「今聴いても新しい」というよりは、はっきり言って本当に古いのです。
でもその古さが何とも言えず良いのです。
聴き始めてすぐに思ったことがあります。
「この語り口、何かに似ているんだけど・・・何だろう・・・そうだ!昭和時代の落語だ!」
時々、昔の名落語家の古い映像がテレビで流れること、ありますよね。あれと似ている!と思ったのです。
もちろん落語ではなく説教の番組なので、笑いを取ることはないのですけれど、庶民的な語り口で、場面や人々が浮かんでくるようで、自分もその場に引きこまれていくような、不思議な味わいがあります。
“ちいろば”の愛称で親しまれた榎本保郎牧師の説教をお届けする新番組
「召天40周年記念番組―ちいろば牧師・榎本保郎 説教選―」
番組のテーマ曲も、どことなく懐かしさが漂っていて、まさに小さいロバがイエス様をお乗せして歩いている、セピア色の光景が浮かびます。
そしてびっくりしたのが、第一回目放送の説教題です。
「ヘロデ王はこのことを聞いて不安に感じた」
なんとも珍しい題のつけられたこの説教はこう語ります。
「イエスを迎えることは私たちに不安を引き起こす」「不安を感じない信仰生活はまだまだイエス様を自分の主人にしているとは言えない」と。
昔懐かしい庶民的な語り口でありながら、イエスを信じて生きるとはどういうことなのか?という問いの前に私たちを立たせる鋭さを感じます。
戦後の厳しい日々の中、ただ主イエスを求め、主イエスを伝えることにひたむきであった、その生き様がにじみ出ているちいろば牧師の説教を、ぜひ味わってみてください。
召天40周年記念番組―ちいろば牧師・榎本保郎 説教選―
榎本保郎(アシュラム・センター元主幹、日本基督教団元牧師)
毎週月曜日更新
第1回「ヘロデ王はこのことを聞いて不安に感じた」(マタイ2:1〜3)