村上伸先生による番組「あなたはどう生きるかー現代キリスト教倫理」。
今月のテーマは、「国を愛するということ」です。
国を愛する…
私は、正直身構えてしまいます。
人を愛しましょう、とか。
家族を愛しましょう、とか。
同じ「愛」の言葉であるはずなのに、
どうも、そのように思えない。
一つには、そこに政治的活動の影を感じるからでしょうか。
時に、過激な主張が他人を暴力的に捻じ伏せる
そんな光景を直接では無いにせよ、
目にし、耳にしてきた経験があるからなのだと思います。
そして、そのようなものにできるだけ自分は関わりたくないものだと
今まで避けてきたのでした。
しかし、村上先生のお話を聞いて、
“自分が関わりたくないからといって、それは愛すべきものではないのか?”
という想いが湧いてきたのです。
「敵を愛しなさい」
当たり前に知っているつもりで、
私はこの言葉について何も知らなかった事を思わされました。
鑑みるに、キリストがしてくださった事とは全くズレた生き方。
私は物事を選り好んで愛そうとしていたのですね…
何か人間の力に拠るのではなく、迎合するのでもなく。
でも、困難だからといって、問題を無視するのはおかしい。
まるで愛が無いような現場になっているならば、
そこに神の愛を運ぶ者こそがキリスト者なのではないか…
私には何が出来るとも思えません、
ましてや国のことなど…
でも精一杯、人を愛す。主の愛によって愛す。
自分の出来る一生懸命を成したいと願います。
あなたはどう生きるかー現代キリスト教倫理
村上 伸(日本基督教団隠退教師)
毎週土曜日更新
「第九部『国を愛するということ』」