「福音を見つめ直し、教会を考える―異端・カルトの問題から」

FEBC特別番組「福音を見つめ直し、教会を考えるimg_cult_sp160321―異端、カルト化の問題から」より(2015年9月25日放送)

〈ご出演〉
・伴 麻子氏(バプ教会連合大野キリスト教会会員、日本脱カルト協会理事)
・高山正治氏(日本同盟基督教団倉敷めぐみキリスト教会牧師)
・齋藤 篤氏(日本基督教団深沢教会牧師)

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(約45分)

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「死んだほうがよっぽど楽」
というところを通りました


伴 麻子氏
(バプ教会連合大野キリスト教会会員、日本脱カルト協会理事)

エホバの証人は凄く排他的な教義や行動様式を持っていて、窮屈さを感じたりしていたのですが、結局私が(エホバの証人の学びを)継続した理由は、私の新しい居場所になっていったということだと思います。自由を犠牲にしてでも、そこに所属することの安心感が大事になっていきました。

そういう訳で、専門学校二年生の時にエホバの証人になりました。それからは宗教一色の生活にのめりこんでいくことになります。母が心配をしていました、「食事とお風呂と寝る以外は、全部エホバのことをやってるでしょう?」と。

―それだけ深いコミットメントをしておられると、スムーズに脱会出来るものなのですか?

「死んだほうがよっぽど楽」というところを通りました。それまでの人生の半分くらいを費やしたものが嘘だったかもしれないと。だけど、何も知らなかったように生きることは出来ないと思って決心をして。そして、「神様、あなたを教えて下さい。本当のことを知りたいんです」という祈りを始めてからは、真実を受け止めることが出来、一ヶ月程カウンセリングを受け、脱会しました。

クリスチャンの方には、彼らがどういう状況に置かれているのかを、まず知っていただくことが大切と思います。内心はとても疲れていたり、「営業スマイル」だったりするんです。だから、本物の信仰、本当の神様を知っている人は、出来ることは沢山あると思います。

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イエス・キリストの御名が
汚されている

img_cult_takayamamasaji高山正治氏(日本同盟基督教団倉敷めぐみキリスト教会牧師)

牧師になって約30年、最初からカルト問題に関わっています。カルト・異端は「イエス・キリストは失敗した」と言うのです、「十字架は失敗だ」と。そして「そのイエス・キリストの失敗をやり直すために使命を受けているのが私だ」と言うのが、それぞれの教祖なんです。

イエス・キリストの御名が汚されている。聖書が言う神様は、カルトが言うところのものとは全然違う。これは伝えなくてはいけないという思いが根底にあります。

―先生が一番長く関わってきたのが統一協会と伺いましたが。

「ご先祖様が苦しんでいるから、供養するためにこの壺を授からなければ」とか「この印鑑を買わなければ」と恐怖感を植え付けていくわけです。実は霊感商法というのは、後から日本人の統一協会の者が作り出したものです。

私が救われた頃は、教会ではまず罪を指摘されました。その上でイエス様の十字架の愛が語られて悔い改めたものです。日本の教会はこの点をもっと大胆に語っていかないといけないのではないでしょうか。カルトは、必ず罪について指摘してくるのですから。そして私達は、イエス様のところに行かなければ」と語っていかなければならないと思います。

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いつか一緒に
同じ主を見上げて

img_cult_saitoatsushi齋藤 篤氏(日本基督教団深沢教会牧師)

私の家は、私が小学三年生の時に父親が蒸発し、それをきっかけに家庭が壊れていきました。何か絶対的なものを求める中で、私はエホバの証人に出会った訳です。
しかし、自分自身が何かに縛られているという思いを抱くようになり、大学進学で上京して、物理的にエホバの証人と離れました。といって楽になるどころか、毎日をどうやって生きていいか分からなくなっていたのが、エホバの証人から離れて教会に行くまでの自分だったと思います。

―教会に行こうと思われたのは?

たまたま下宿の近所にある教会の前を通りかかった時に、教会の看板に『エホバの証人でお困りの方はご相談ください』という一文を見つけたのです。今までは、『エホバの証人とは一切関わりがありません』と、いかにも「自分たちは正しい、あなたたちは間違いだ」と感じさせるようなものでしたから、『ご相談ください』との言葉に感じるものがあったんですね。

「あの団体は間違っている、私達は正しい」という構図で教会が自己絶対化する中で、傷ついた人が福音に触れて本当に命溢れる姿へと全人的に回復していくことになるのだろうかというと、大きな課題があると思います。

忘れられない思い出があります。友人の家が、私が通っていた王国会館の斜め向かいにあったんです。一度遊びに行ったことがありましたが、びっくりしたのが、この家は教会に行っているということを、お邪魔して初めて知ったんです。その時、友人のお母様が、「ところで、何でこんな遠くに来たの?」と尋ねてきました。私は「この斜め向かいの王国会館に、エホバの証人と勉強するために来ました」と恐る恐る言いました。何故なら、「クリスチャンは自分たちが学んでいることに必ず反対するでしょう」と教わっていたからです。しかしそのお母様は、「やり方とか、具体的に信じているものは違うかもしれないけれど、私はあなたがたと、いつか一緒に同じ主を見上げて信じるということが出来るということを信じていますから、頑張ってくださいね」と。びっくりしたんです。物凄い嫌な顔をされると思っていたのが、真逆の反応だった。

カルト宗教をくぐってきた人間として、皆さんと分かち合いたいのは、それが現役の信者であろうが脱会者であろうが、やはり愛すべき存在なんだということです。「追い出してやった」と自慢気に語られたりするのを聞くと、お気持ちは分かりますけれども、やはり心が痛みます。そういう人たちに必要なのは、本当のキリストの愛だと思います。彼らは特別に愛すべき存在なんです。そのことを、伝道者として与えられている日々の中で、暖めながら過ごして行きたいと願っています。

(文責・月刊誌編集部)

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