32 お前が「より頼んで」いる神~動詞バーターハ~
列王記下18:13~19:37
(31 「『静かにしている』ならば救われる~名詞ナハト~」はこちら>>)
聴取期限11/19
(約22分)
●列王記下18-19章の間には、同じ事件を扱っているにも関わらず、矛盾するような2つの結末が併記されている。
●バーターハ:旧約聖書に105回用いられている。「(人やものに)信頼する」「(結果として)安心する」という意味を持つ。
●神に信頼する大切さを説く神学的な意図のために、列王記下18-19章はこのような編集をされていると思われる。
ナカガワ●
今回、雨宮神父様がご紹介下さった「バーターハ」、本来は「神に頼る」なのに、「悪に頼る」という意味合いでも用いられてしまうんですね…
ナガクラ●
ヘブライ語って、意味の広がりが大きいっていうけど、それにしても…だね。
ナカガワ●
はい。意味としては真逆ですからね。
ナガクラ●
もしかしたら、この言葉って、思い切って「身を任せる」ぐらいに考えると分かりやすいかもね。
ナカガワ●
ああ、確かに!
神さまに身を任せる、偽りに身を任せる、悪事に身を任せる…でも、こうなるとずいぶん恐ろしい感じがしますね。
ナガクラ●
これってやっぱり、あえて同じ動詞を使うことで、その「異常さ」「おかしさ」を示そうとしているのかもしれないね。
ナカガワ●
だとすると、今回、雨宮神父様は、列王記下18〜19章にある「食い違い」をお語り下さって、正直「かなり大胆なことするな」と思っていたんですが…
ナガクラ●
どうして、聖書の民はそんな「大胆なこと」をしたんだろう?
ナカガワ●
うーん…
こんな編集をしなければいけないくらい、人間って、神さまに頼ることを忘れてしまうって事ですかね…
ナガクラ●
そうだね。
あえて「大胆なこと」をしてでも、それを証したかったんだろうね、きっと。