続報!三浦綾子生誕100周年記念特別企画


いのちのことば社によるクラウドファンディングも目標を達成したことが示すように、今もなお多くの方に愛されている三浦綾子の小説。
その創作の現場を伴侶、そして同労者として支え続けた夫・三浦光世氏のインタビューを生誕100周年特別企画の第2弾としてラジオとインターネットにて再放送します。




〈第2弾〉 三浦綾子生誕100周年記念特別企画
「今、妻と信仰を語る」三浦光世さんに聞く

放送 7月23日、30日(土)夜10時4分より各28分間
出演:三浦光世氏
(三浦綾子記念文学館元館長)
聞き手:吉崎恵子


今日はその内容からあの名作『塩狩峠』の誕生秘話などを少しだけかいつまんでご紹介します。

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 ある時、旭川六条教会で修養会を開き、多くの方が来て、綾子はその司会役をしました。ただ、参加者でご年配の方が一人で話をしようとされるので、苦労したと終わってから言っていました。そして一週間後、牧師が礼拝後に藤原さんという方から手紙が来ていると伝えるのです。そこには「先日の修養会ほど不愉快な時はなかった。自分が話そうとすると三浦綾子という人がすぐに発言を止めようした」と書いてありました。私は藤原という人こそ勝手だなと思いましたが、綾子は「あら大変!失礼なことをしました。お詫びに行かなければ。牧師先生も来てくれますか?」ということで三人で藤原さん宅にお詫びに参りました。綾子は玄関前で何回も何回も頭を下げてお詫びをしまして、それでようやく家の中に入れていただきました。その時、藤原さんの机には原稿用紙があり、そこには『塩狩峠』のモデルになった長野政雄のことを書いていらしたのです。彼は国鉄に勤めた藤原さんの上司で、明治末期、逆走した客車を自らの体を車輪の下敷きにして止め乗客を救った人物であることを知り、綾子はびっくり仰天したんです。 その藤原さんとの繋がりで、後日あの小説が生まれたんです。
 

 『塩狩峠』は多くの方に読まれ、数年前にも「私はこれを読んで自殺を思いとどまりました」という若者がやってきました。綾子の信仰は深かったですねえ。作品が読みにくかったり、難解であったりしては意味がないと考えていました。だから『氷点』を書く時には、「私ね、小学校五年生で読める文体で書く」と。しかもテーマは「原罪」ということですから。難しい問題を易しく書くというのが一番難しいと聞いておりますけれども、そのことを綾子はよくやりました。そして現実に、小学4年生からのファンレターも来たこともあったんですよ。

 


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朗読劇『塩狩峠』ラジオ放送決定!

5/31までWeb限定でお届けした朗読劇『塩狩峠』をラジオでも再放送します。一人でも多くの方がこの不朽の名作にふれてくだされば幸いです。ぜひ、この機会に周りの方にお知らせ下さい。

〈第3弾〉 朗読劇『塩狩峠』

放送 2022年7月29日(金)夜9時30分〜、約70分間
原作:三浦綾子氏
演出・脚色:西田正氏(日本宣教演劇学校前校長、キリスト伝道劇団新宿新生館前主宰)
出演:日本宣教演劇学校の皆さん