「石を投げよ」
山内十束神父による「聴く信仰―『いのち』をいただく御言葉黙想」
今回は、ヨハネによる福音書8章の1節から11節までを黙想していきます。
実はこの聖書箇所、「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」というみ言葉で大変有名なのですが…だからこそ、神父様はこのように語ります。
ここで、丁寧にイエスの言葉に留まりたいのです。私達は聖書を読んでいると、早く結論に辿り着きたい思いに駆られることがあります。早く、答えに。言うならば自分が正解と思っているところに、と。しかし、それはとても勿体ないことです。
そして続けて、このように語られます。
「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」
彼らは、イエスは律法に反して「石を投げるな」と言うだろうと考えていました。しかしイエスは「石を投げよ」と言われる。罪を犯したことのない者が、投げるべきなのだと。石を投げるのは、律法を完全に生きている者。そうでないならば、あなたたちは自分自身で自分に石を投げることになるのではないか。
これは黙想している私達にも問いかけられていることです。
これは、私達への問い。
つまり主イエスは、この私に「石を投げよ」と語られている。
だとすれば。
「ここで女性が助かってよかった」
「律法学者のようにはなってはいけないな」
「自分もこういうときに石を投げなければいいんだ」
そんな今までの私の思いは、主の問いへの「答え」になっていなかったのだなと痛感します。
この番組では決して「一つの正解」は語られません。
しかし、一人ひとりがどのようにこの方の言葉に向き合っていくのか。応えていくのか。
それぞれの道を、山内神父様に導かれながら
これからも共に歩むことが出来ましたら幸いです。