2/18「私の人生」を失わないために


 今回は、2/12、2/19の二週に渡って放送される特別番組
「認知症とは何か?―『私の人生』を失わないために」のご紹介をしたいと思います。
お話をお伺いしたのは、上智大学神学部教授の武田なほみ先生。
現在ご自身も認知症のご家族の介護に携わりながら、この事についてお語りくださいました。

「私は、成人発達心理学あるいは生涯発達心理学という、人間が一生涯を通してどう変化していくかをキリスト教信仰の眼差しで捉え直すことをしているのですが、老年期は、人間関係などその方をその方足らしめていた人々やものとの別れを経験する時期です。…これを「与えられたものをお返ししていく」と言えば綺麗なのですが、その渦中にあっては、自分という存在がもぎ取られるような物凄い痛みを経験します。ですから、その出来事と向き合って、その中でなお私として生きていくかは、もの凄く難しい。…では何故、神様は人生の最後に一番難しい課題を取っておかれたのか。…」

「一番難しい課題」 確かにそう思いました。

人間はずっと物事を積み上げて生きています。
経験、人間関係、能力、立場、…
私自身のことを思っても「与えられたものをお返ししていく」という境地は
考え方としてはわかるけれども…というのが正直なところです。

知識や記憶が欠けていく事はどうにか割り切れるかもしれません。
しかし、この病は時に、家族のことすら、
そして神様のことすら忘れてしまうのですから。

果たして、その様な状況下でもこの番組タイトルのように
「私の人生」を失わないというようなことがあり得るのでしょうか。
実際にこの痛みにある方、また、その苦しみのそばにある方こそ、
その思いは強いのではないかと感じます。

「一番難しい課題」しかし、そこにもある主の招きとは何か。
そのようなものが有りうるのか。
武田先生のお話から、ぜひご一緒に
この大きな人生の難題について問うていくことが出来ましたら幸いです。


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放送はこちらから(2/19より)>>