「あと一日だけ」―ただ共にいる信仰


2021年に放送し、皆様からも大きな反響を頂いた、
FEBC特別番組 シリーズ「共に生きる」「『あと一日だけ』―ただ共にいる信仰」
今回は、その再放送をお届けします。

青山学院大学にチャプレンとして勤めながら
「自死」の問題について活動されている塩谷直也先生。
その取り組みのはじめは、ご自身の「痛み」からでした。

私自身が「死にたい」という思いを抱えていた時期が長かったのです。後に牧師になり、決定的だったのは、親しい方を自死で亡くしたことです。ご本人の遺志もあり、私は自死を隠さずに葬儀を行いました。批判もありました。けれども、「実は私の家族も…」と打ち明ける人が出てこられたんです。自死遺族者の最大の悲劇は「誰にも言えない」ということなのです。必ず独りで悩んでいる。そして、故人の記憶を消そうとするのです。…

自死を選んだ、選ばざるを得なかった方。
癒やされねばならない傷を隠さざるを得ない遺族の痛み。
そして、そのような方々をも受け止めきれず、
新たな孤独を作り出してしまう者…

お話をお聞きしていて、
どのような立場の人間でさえ、無関係な人はいないのだと感じました。
無論、私もです。

では、どうすればよいのか?何をすればよいのか?
「罪悪感」の中でそのような思いに駆られます。
しかし、先生はこのように語っています。

私は、誤解を恐れずに言えば、死のうと思っている人を助けられるとは思っていません。人は人を救えない。そして、そういう自分の限界を知るのは、祈りを通してです。「自分は神ではない」と。
 
「自分は神ではない。」
当たり前のようなことで、しかし、その実わかっていないのだと思いました。
むしろ、わかったようなことを語るからこそ、
新たな傷を作る者になってしまっていた自分の罪深さを感じます…

でも。

この信仰は、それで終わらないのです。
私達にとって一層大切なのは、
その限界を知った先にあるものでした。

表題ともなっている「あと一日だけ」
そう語られる言葉の奥にある主イエスのお姿を、慰めを、励ましを、
この放送からどうか、ご一緒に探し求めていきましょう。



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