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「FEBC特別番組 霊的利己主義の挫折の向こうに―『ラウダート・シ』の霊性(再)」

2015年、カトリック教会は「ラウダート・シ」という回勅を出しました。アッシジの聖フランシスコの「主よ、あなたは讃えられますように」という言葉をベースに、環境問題を現代の教会が取り組むべき課題としたこの回勅。番組では、カトリック・カルメル会宇治修道院司祭の中川博道神父がその意義をお語りくださっています。

この回勅は言うならば、私達の生活の中でイエス・キリストという方とどれだけ具体性を以て共に生活していけるのか。そのことへの問いかけ、指針と表現できるかもしれません。

「私の中に生きられるイエス」が、具体的な生活の中で、天の御父や隣人とどう向かい合い、さらに植物や鳥を見て何を思い、自然界とどう関わっていくかということが大事なことになります。その次元が無ければ、本当の「霊性」では無いのです。

つい、概念的になってしまうキリスト者としての生き方。特に「霊性」といった言葉を聞く時に、それを日常のことから切り離されたものとして受取ってしまうことがあると思うのです。

でも、そのあり方は全くズレています、と中川神父は続けて語られます。

このことを、今の教皇フランシスコはもっと強烈に表現しています。個人主義的な霊性は霊的利己主義、あるいは霊的消費主義だ、と。お祈りはするけれども、結局「生きる」という現実で開かれていかないというのです。だから人を思いやらない。だから生活にイエスから滲み出てくるものが無い。さらには「私は祈っています」「教会に行っています」ということも教会の中で一種のステータスのようにして捉えているなら、それは霊性の世俗化であり、全くキリストと関係無いとさえ言われるのです。

「全くキリストと関係がない!」これは本当に烈しい言葉であると思います。

でも、信仰生活をしっかり歩んでいると思う中で、むしろそのような空虚に落ち込んでしまう私達の現実がある…。ぜひこの放送をご一緒に聞く中で、中川神父と共に私達一人ひとりの生き方を新しく見直し、主イエスと出会い直したく願います。

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