Spirit of Gospel〜生きるを問う

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「生きる」を問う

苦しみを歌う。

内に抱えた苦しみを外に吐き出すと、さらに苦しむことがある。

先が見えない不安。
恐れと怒り。
自分を襲う理不尽さを前に人は死を思う。

本当は生きたいのに。
顔をあげ、前を向いて歩きたいのに。

今日を耐えることに疲れた時、聞いてほしい。
ゴスペル、黒人奴隷の歌にルーツを持つ、魂の霊歌を。

そして、聞かせてほしい。
あなたの心を。

ここはキリスト教のラジオ局FEBCがあなたと共に「生きる」を問う場所です。


塩谷達也の「Spirit of Gospel」

#18
僕の家にキング牧師のポスターがあるんですけど、
そこに彼のこんな言葉が書いてあるんです。

True peace is not merely the absence of tension.
It is the presence of justice.

正義が存在しなければ、単に争いがないからって、真の平和はではない。
彼はそう言ったんですね。

僕らの職場、社会、家庭、暮らしている場でも、争いがないけど、
そこには正義がないということがあると思うんです。
当時のアメリカの白人たちと同じように、
自分を守りたい一心で、正義が後回しになってしまう。

キング牧師のこの言葉は、そのことを僕らに思い出させてくれる。
事勿れ主義じゃいけないと。
そしてそれは、イエスが本当に僕たちに教えてくれたことなんじゃないかなと思っています。

放送は第20回・2014年の番組の再放送です。


#17
今日はリスナーの方からいただいたメールをご紹介します。

いつも楽しみに聞いています。
さて、 I Have a Dreamの感動的なキング牧師の演説の中でこのような一節がありました。

私には夢がある…黒人も白人もユダヤ教徒も異教徒も
プロテスタントもカトリックも全ての神の子たちが手を取り合って、
あの古い黒人霊歌を口ずさむ…。
『Free at last Thank God Almighty I'm free at last』
(ついに自由だ、全能の神に感謝せん、ついに自由になった)」

この古い黒人霊歌とは何の曲か分かりますか?

これは「Free at last」っていう黒人奴隷の叫びから来てる霊歌なんです。
彼らはフリーじゃなかった。家族とバラバラにされ、鞭打たれ、いつも自由がない。
その彼らが「私はついに自由になった」そう歌った。
これは彼らが死を迎える時のイメージだと思うんですけど、それだけじゃない。
イエスを信じた。その時のことでもあると僕は思います。

放送は第19回・2014年の番組の再放送です。


You may haven this word
Give me Jesus

I heard my mother said
I heard my mother said

Give me Jesus
Give me Jesus

You may haven this word
Give me Jesus

#16
黒人霊歌を若い世代に受け継ぐ活動をしていた
ルーヴェニア・ポインターさんという方はこう語っています。
「黒人奴隷は、人も物も権力も、この世に何も頼るものがなかった。
だから、本当に『Give me Jesus』とだけ言えたのではないか。」

私たちは色々なものが溢れ過ぎた世の中にいるから、
「Give me Jesus」とシンプルに言えないのかもしれません。

ポインターさんはこうも言っています。
「私たちは今、奴隷制度の中には生きていないけれども、
物質主義に縛られているんじゃないか。」

物質主義の奴隷。でも、そこでこそ、
まさしく奴隷制度の中で天を見上げて歌った歌―ゴスペルを歌っていきたい。
そこで私たちも「Give me Jesus」そう叫ぶ者でありたいなと思います。

放送は第18回・2014年の番組の再放送です。


#15
今日は僕も大好きな一曲「Give me Jesus」を紹介します。
本当にシンプルな叫びの歌です。

もう本当になんて言うんでしょう、一行、一行、一行っていうだけの歌詞で続いていく、
黒人奴隷の痛み、孤独、苦しみ、そこから生まれた曲なんですね。

彼らは自分の子供や家族、友人とも引き離されて売られていく。
人間的なものが全部奪われた状況で、誰も助けてくれない。
まさしくその悲しみに満ちた怒りが、奴隷生活の中には満ち溢れてるんですね。

でも、この曲は怒りの歌じゃないんです。
だからこそ、その彼らが「Give me Jesus」って言えた。
この真っ暗闇の中で、ただ「イエス様をください」と。

放送は第17回・2014年の番組の再放送です。


There is a balm in Gilead
to make the wounded whole,
there is a balm in Gilead
to heal the sin-sick soul.

#14
黒人奴隷だちはどれほど毎日落ち込んだか。働いても働いても報いはない。
「神様、何のために私は働いているんでしょうか。」

私たちだってそう思うときありますよね。全然成果が得られなくて、虚しくなる。
その時、その弱った心にこそ、神様のHoly Spiritが私たちの魂に触れてくださって、
Balm in Gilead(ギルアデの乳香)のように、魂に塗られて、
もう一歩そこから歩いていくことができる。

私たちはどうしていいか分かんないし、また落ち込んでしまう。
だけど、「ジーザスに頼ればいい」と。
黒人霊歌っていうのは、子供でもわかる言葉でシンプルに伝えてくれる。
だから僕は好きなんですね。
難しい言葉はいらない。本当に大事なことだけ叫ぶ。
それが黒人霊歌なんじゃないかなというふうに思います。

放送は第16回・2014年の番組の再放送です。


これまでの放送



塩谷達也
ゴスペルシンガー、ソングライターとして、オリジナルゴスペルを歌い続けると共に、ゴスペルの「紹介者」としても活躍。ゴスペルクワイアの指導、著作活動、メディア出演など、その活動は多岐にわたる。現在、青山学院大学のコンテンポラリー礼拝においてワーシップディレクターを務め、学生賛美リーダーの育成に務めている。FEBCでは番組「Session―アートの中の彼の声」に出演中。
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